HIDETOSHI SAKAGUCHI

−『日常が壊れるとき』−

先月の終わりぐらいから 俺の部屋の隣の建物の解体工事が始まった。

昼間ちょっとうるさいけど 作業が終わるのも夕方前だし 周辺に気を使ってくれてるんだなと 別に気にしてなかった。

ところが…。

土曜日 外出して帰ってくると お隣さんたちが 外へ出て話してて 俺を見つけると

「水が出なくなったの、水道管を工事中に壊したんだって」

と。

「そうなんですか、でもすぐに直るんじゃないですか、場所は分かってるんだし」

俺はそう答えた。

結果 5時間ぐらい水は出なかった。

その時間が不便なこと極まりなくて。

改めて 気づかされた。

地震とかの被災地では 水道が不通になることが 多くあるけど それは本当に苦痛なこと、ましてそれが 何日も続いたら言わずもがなだ。

自分が体験しないと本当の痛みなんて分からないんだよな。

俺は たったの何時間かで ギブアップしたわけで。 

世界には その状態が当たり前の地域だってある。

電気があり、ガスがあり、水がある日常、その事自体が とても幸せなことなんだなと思った一日だったよ。